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木の知識
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3.木材が劣化する要因

木材は土に還る事のできる材料

木材は、太陽光と水、二酸化炭素によって生み出された有機材料です。適した環境の下で利用するならば非常に耐久性の高い材料として評価されています。

ところが、不適切な環境で利用すると、菌や虫の攻撃を受けて劣化し、早く朽ちてしまいます。この性質は、材料として使用する上では耐久性に関わってきますが、地球環境の面から考えると、生物により分解されて土に返り、森林を育み、育った木は再び木材として利用できるという循環型の材料と言え、他の材料では持ちえない理想的な特性です。

木材を末永く利用するために劣化する要因を理解して、木材を適した場所で使用して頂きたいと思います。以下、木材の劣化となる要因を項目ごとに説明していきます。

3-1.木材と菌

菌により分解される

木材の表面や内部に菌が侵入することで木材成分が分解され、腐れてもろくなる現象のことを腐朽と呼びます。木材には水分が十分に含まれているので、周りの気温が適していれば、どんな場所に設置しても必ず微生物が繁殖します。

腐朽には段階があり、外観的には初期に木材の変色がおこり、ついで軟化して強度が弱くなり、最後はボロボロになっていきます。

この変化は侵入する微生物の種類によって移り変わっていき、最終段階では木材の各成分が水と二酸化炭素に分解されてしまうのです。菌は約10ミクロンほどの胞子を撒き散らし、空気中を漂わせて、物の表面に付着し、適した環境下で胞子を発芽させます。木材腐朽菌にとって生育に適した環境とは、適当な水分と温度、栄養となる有機物と酸素がそろっていることです。逆に言えば、これらの条件を一つでも完全に断つことができれば、木材腐朽菌の繁殖を防ぐことができると言えます。

3-2.木材と虫

シロアリについて

日本に生息しているシロアリは10種類ほどで、そのうち建築材などの木材を食害するシロアリはイエシロアリとヤマトシロアリ、乾いた木材を食べるダイコクシロアリの3種類です。

他のシロアリは森の中に生息して、主に枯れ葉や枯れ枝を食べています。シロアリが食害した後の木材はボロボロなり、木材の強度は著しく低下してしまいます。

シロアリの祖先はゴキブリの一種といわれ、普通のアリの祖先は蜂の一種だったといわれています。シロアリは胴にくびれがなく、ゴキブリの体型のように胸と腹との境がありません。しかし、体型は違ってもシロアリの生活形態はアリや蜂のように社会性組織を形成し、集団生活を行います。

ヤマトシロアリ、イエシロアリは、腐朽が進んでいる水分の多い木材を好みます。この2種のうちイエシロアリの方が、加害力が強力で、水分を確保できる場所があれば、そこを拠点とし、乾燥した木材でも屋根裏などの高い場所も侵入して食害します。

イエシロアリは5〜6月頃の夕方から夜にかけて群飛して、電灯に集まる習性があります。巣は切り株の下などの地中に大きな巣を構築します。

一方、ヤマトシロアリは自分で水を蓄える能力を持たないため、水分が十分にあって、少し腐朽している木材に侵入します。群飛時期は4〜6月頃の蒸し暑い午前中で、巣は食べた木材の中に構築し、イエシロアリのようには独立した巣は作りません。

生材を食害する虫・乾材を食害する虫について

生材に集まってきて食害する類の虫はキクイムシ、ゾウムシ、タマムシ、カミキリムシなどがおり、樹皮の上から穴をあけます。木材を加工した製材品の検査で、そのような虫食い穴は欠点として評価されてしまいます。製材品で確認される虫穴は、立木の時に外から虫が穴をあけた後、木がさらに成長して巻き込んでできるもの、または伐採後、生丸太の時期に穴をあけたもののどちらかです。

虫穴で製材品の価格の評価が下がる理由は「穴に虫が潜んでおり、再び虫害が発生するのではないか」と認識をされているためです。それは誤解で、穴はすでに虫が外へ出てしまった跡なのです。これらの虫は成虫が樹皮の上から潜り込み、木材内部に卵を産みます。孵った幼虫は樹皮の内側の樹液や、虫穴に繁殖したカビの菌糸などを食べて成長し、木材が乾燥してしまう前に成虫となって木材外へ出て行きます。それに、木材が乾燥した後では十分な栄養が得られないため成虫は産卵しません。そのため、製材品に穴があいていたからといって、再度生材に穴をあける虫から虫害を受けるというのは誤った認識なのです。

製材品や建築部材などの乾材を食害する虫は、ヒラタキクイムシ類が有名で、乾燥して気乾状態になっている乾材を食べます。この虫はデンプンを多量に含んだ白太部分をかじり、木材中のデンプンのみを消化して、残りの成分は木粉の状態で排泄します。産卵場所は木材の含水率が20%以下になったデンプンの多い白太部分の道管の穴で、孵った幼虫は10ヶ月ほどの間、乾材を食い荒らしてします。

このように木材を食害する虫は、生材と乾材ではっきりと別れており、同じ種類の虫が両者の状態の木材を食害することはありません。

海虫類について

海の中にある木材は、フナクイムシという二枚貝の一種やキクイムシという甲殻類の一種に食害されます。これらの虫は海虫類と呼ばれ、その中でもフナクイムシは特に被害が激しく、木材に無数の穴をあけます。そのため、木製の船の底に穴をあけて浸水させてしまうことがあり、マリンボーラーと称して恐れられています。

フナクイムシの幼生虫は木材に付着すると、内部へと穿孔し、その穴のまわりに薄い石灰質の膜を張り、巣穴にして一生住みつきます。体長は20〜100mmに達します。フナクイムシは塩分が1%以下になる水中では生息できないため、海水貯木場では淡水を導入して塩分を薄め、被害を小さくする方法がとられています。

3-2.木材と風化

紫外線や雨風の影響

日光が当ると木材の色は灰白色になっていきます。その理由は、日光によって木材中の褐色のリグニンという物質が化学変化により分解されるためです。

日光の可視光領域の光でもリグニンの分解は起こりますが、特に紫外線がリグニンの分解を起こし、木材を変色させます。

濃い色の木材でも淡い色の木材でも変色の程度は樹種によって違いますが、日光が当ると化学反応により一旦色が濃くなって、その後灰白色化していきます。また、雨風の影響も加わって、分解されたリグニンが雨水とともに木材外へと流れ出てしまい、木材には白色のセルロース、ヘミセルロースが繊維状に残されます。

木材の主成分の一つであるリグニンが分解してしまうことは耐久性の面では良くないことですが、見方を変えれば紫外線が化学反応に使われているということ、つまり、紫外線を吸収しているということが言えます。

4.木材の保存処理

保存処理の方法と特徴

木材の保存処理法は薬剤を加圧注入する方法が主であり、その他塗布や吹付ける方法、浸漬する方法など様々あります。各処理での方法、特徴は下記リンクをクリックしてご覧いただけます。

その中で最も保存効果が高い方法は加圧注入処理法です。この方法は日本工業規格(JIS)のJIS A 9002に規定されています。 木材を注薬缶と呼ばれる容器の中に入れ、始めに圧力を下げることで木材内の空気を抜き、次に薬剤を容器に満たして高い圧力をかけて木材内部に注入する方法です。木材は素材のまま屋外で使用するならば、2〜3年で腐ってしまい、使用に耐えられなくなります。そこで木材に加圧注入処理することで耐朽性を向上させます。

加圧注入処理材のAQ屋外製品部材の浸潤度について

木材に薬剤が効果を示すぐらいに注入されているかどうかを判定するために、薬剤の浸透量を検査しています。AQ認定されている屋外製品部材の薬剤浸潤度の判定基準を図示すると、以下のようになります。

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